陽射し














・・・暑い・・・!!


体育の授業で、今日はよりにもよって外で100Mの測定。
私の番はとっくに終わっていて、あとはチャイムが鳴るまで待たないといけないんだけど・・・
測定を終えてみれば、唯一頼りの木陰は埋まっていて・・・悲しくも陽射しの下で待つしかなくなっていた。
友達の走る姿を見てはいるけど、あまりの暑さでそれどころじゃなくなってきた・・・。



・・・なんかちょっと・・・ヤバイかも・・・。



体育座りのまま、膝に顔を埋める。








・・・ん?
なんとなく気配を感じて顔を上げた。

「あれ?隆?」

そこに居たのは、立ったまま、心配そうにこっちを覗き込む彼氏。

「大丈夫?ちゃん」
「ヘイキー」

そう答えると、隆の顔が少し曇る。
なんでだ?

「隆、どうだった?」

彼氏の河村隆は隣のクラス。
体育はいつも隣のクラスと合同でやるから、今日も一緒だったんだけど・・・丁度私が走る順番と隆が
走る順番が被ってて、ちょっと離れた所で男女別だったから余計に見る事が出来なかった。

「まぁ、普通だよ」

嘘だね。
持久力が必要だけど、得にダッシュ力を要するテニス部の隆にとって、100Mで普通の結果が出るとは
思えない。
まぁ、陸上部には負けるだろうけど。
それにしても、暑さで頭が朦朧としてるせいか会話もブツ切れがちだなぁ。
そのブツ切れがちの会話でも、隆は立ったまんまで。
私は、自分の横を<座りなよ>って言うようにポンポン叩いたんだけど、隆は座らなかった。
無言で居ると、余計暑さばっかり気になってきてしまって・・・。

「この暑さはどうにかなんないもんかねぇ・・・」
「暑いの、苦手だもんね」

苦笑しながら話してる隆。
隆って、ちょっと困り眉だよね?

「あ!ねぇ、もうすぐ夏休みだし、部活無い日プール行こうよ」
「暑いの苦手なのに外出るの?」
「プールは別だよー」

だって、プール入ってるときは涼しいし。
隆に水着姿を見られるのは恥ずかしいけどね。でも、行きたいよ。

「男子集合ー」

笛の音と同時に響く号令。
行っちゃうのかー・・・なんだか話してるとそんなにジリジリ・・・あ〜焼かれてる〜て感じしなくて良かったんだけどなぁ・・・。

ちゃん」
「なぁに?」

隆は立ったまま私を見てニッコリ笑い・・・。

「あんまりキツかったら保健室行きなよ?」
「え、平気だって・・・」
ちゃん、無理してる時<大丈夫>じゃなくて<平気>って言うんだ。気付いてた?」
「え・・・」
「無理、しないでね?」

そう言う隆に、私は頷く。
それを見て、隆は少し満足そうに・・・またフッて笑って、男子の輪に入って行った。
もしかして、今まで無理してたのって、全部バレてた・・・?軽く嘘とか・・・全部バレバレ?
っていうか、そんな言葉の違いとか・・・自分でも気付いてなかったし。
でも、確かに・・・思い出して見ると心配かけたくなくて無理してる時<平気>って言ってた気がする・・・。
参っちゃうなぁ・・・。
と、空を仰ぎ見て陽射しの強さに改めて気付く。


アレ・・・?




隆が私の横に座らなかった理由。
話してて、そんなにキツくなかった理由。










答えは一つ。





















隆・・・かっこよすぎだよ・・・!!!!






















20100329:気持ち校正。