付き合い始めて早二週間。
俗に言う一番ラブラブな時期というやつだけど、向こうは部活が忙しくてまだちゃんとしたデートも、
一回しかしていない・・・けど。
毎日部活帰りに一緒に帰って、色んな話をして。
この、付き合う=すぐ手を出す ご時勢に、手すら照れて握ってこない彼、河村隆に
<あぁ、大事にされてんだなぁ・・・>
とか、思えてきちゃって・・・。
もぅ、好きって気持ちがどんどん加速していって、どうしょうもない。
余裕なんて、ないよ。
+どうしようもない+
「あのさ、タカさんって呼んでいいかな?」
「?今更どうしたの?」
「いや、いつの間にかそう呼んでたけど、もしかしたら嫌だったかなーと思って、再確認」
「別に嫌じゃないよ」
そう答えたタカさんの優しい笑顔に私はクラッと・・・。
かっこいいよー・・・!!
「名前で呼びたくてさー」
「うん」
「呼び捨ても、か・彼女・・・としては捨てがたいんだけどね?」
「そ、そうなんだ・・・」
「”隆”って自分が呼んでる所想像しようとしたら、タカさんのお父さん出てきて・・・どうしても、
<オイ!隆ぃっ!!>ってイメージが頭から離れなくなっちゃった・・・」
「そ、そうなんだ・・・」
私のくだらない話に逐一反応して、返事してくれる。赤くなったり、困った顔になりながら。
・・・愛おしい・・・。
こんなに好きで、私は一体このままどうなってしまうのだろうか・・・。
いつも通り部活帰り、デート時間。
段々日も長くなってきていて、辺りは夕焼けに染まっている。
「ちゃん」
「なーに?」
「俺さ、高校入ったら寿司屋の修行に専念するって話、してたよね」
少し改まった様子に、私は顔を上げてタカさんを仰ぎ見る。
そこにあったのは、いつも以上に真剣な表情で・・・。
「うん」
としか答えられなかった。
「俺、親父の跡つぎたいし・・・もしかしたら、今以上に会えなくなるかもしれない」
「・・・・・・。」
「それでもちゃん、俺の隣に居て、くれるかな?」
もちろんだよ・・・!!
って、即答したかったのに、出来なかった。
「いや、居て欲しい」
そう、強い眼差しで言われてしまったから。
あぁ、こういう所がすごく好きだよ?優しいだけじゃない、そういう所が。
「タカさん、私の夢、聞いて?」
「え・・・うん」
「河村寿司のおかみさんになって、将来タカさんと一緒にお店に立つこと。」
「・・・!!ちゃん・・・」
タカさん、驚きの表情のすぐ後に、すごく嬉しそうな、暖かい顔をした。
「タカさんが修行中は、私も花嫁修業頑張るよ!」
「ありがとう・・・」
タカさんは今にも泣き出しそうな笑顔で、私の手を握ってきた。
まだ付き合って二週間、もしかしたらこの先別れる危機もあるかもしれない。
将来、青かったなぁ・・・って考えちゃう事も、あるかもしれない。
けど。
付き合って二週間でも、私はこの人とずっといたいと、そう思った。
今のこの気持ちを大事にしたいと・・・思った。
おわれ。
どうしようもないのは私の脳味噌。