今考えると、全ての一瞬一瞬がタカさんを好きな気持ちに繋がっていった。
その時は、深く考えなかったとしても。









一瞬

















例えば、タカさんが不二を庇って手を傷めた不動峰戦。
例えば、波動球を打ちすぎて手を傷めた氷帝戦。

二回共、みんなの知らない所で一瞬見せた、あの・・・なんとも言えない自分を責めるような表情。
みんなが先生の言葉に注目した一瞬にフと見せた、苦しそうな、悲しそうな・・・。
みんなの前ではいたって温厚に・・・謝って見せていたけど、実は悔しくてしょうがないんだって、そう思った。
普段見せない、タカさんの本当の気持ちが見えたみたいで・・・偶然見てしまったその時から、なんとなくタカさんが
気になってしまうようになった。






でも、なんの進展もない。
進展もなにも、そもそもそんなに飛びぬけて仲がいい訳じゃないし・・・ただの部員とマネージャっていう関係だし。
気になってはいるけど、そんなに好きってわけでは無いと思うし・・・そう、気になってるってだけだよ。
・・・さっき、窓の外を眺めるタカさんの真面目な顔を視界に入れてしまったから、余計に。



「あ、っ!!」
「へ?」

の声と同時に上がった、私のマヌケな声と・・・足元から崩れる感覚。
そうだ、私階段昇ってたんだった。


落ちる---------






瞬間的にそう思った。
でも、いつまで経っても覚悟した衝撃はやって来なくて。
代わりに訪れてきたのは、背中にある暖かな感触。

「タ、タカさん・・・?」
「大丈夫?駄目だよ、ぼーっとしてちゃ・・・」

背中にあったぬくもりはタカさんで。
私は予想以上にたくましかったタカさんから飛び出た・・・恥ずかしくて。
その瞬間に見えた、ちょっと寂しそうな瞳を見たら、もうたまらなくて・・・!!

















「タカさん、私タカさんが好きだよ」















気になってただけじゃなかったの?
そんな風に自分に問いかけたけど、もう後の祭。
気付きたくなかったけど、私たちの周りにたまたま居た同じ学年の生徒達は足を止め、私の前を歩いていた
無表情で私たちを眺めていた。

「あ、あの・・・ちゃん?その・・・冗談、は・・・」
「冗談じゃないよ」

そう、冗談じゃないよ!冗談じゃないのは自分だよ!
いつの間に私はこんな拍子で告白するような子になったのだろうか。











「あー・・・うん、俺、も好き・・・」








色々考えないといけない自分の面っていうのは、このタカさんの一言で払拭した。
なんだか幸せだ・・・!!ホワッって暖かい気分になった!!
・・・そうか、私タカさんが好きだったんだ・・・?
きっと、今まで見てきた一瞬一瞬が積み重なって、好きになったんだ。



















爽やかにサッパリ。