「7月に花火大会あるらしいっすよ?みんなで行きましょうよ!」



そう桃が言い出したのが6月。
相変わらず祭好きだなーなんて思いつつ、私もお祭りは大好きなので普通に便乗した。

だって夏よっ!?
だって花火大会よっ!!??









あぁ もう!











「はーい!」
「なんだ、



花火大会一週間前のミーティング中。
部活が丁度休みで、みんなで行く事になった花火に、私はど------------しても譲れない事がった。
手塚の返事を受けて私は立ち上がる。



「持ってる人は浴衣着用にしたいです!!」



勢いよく言った私に、部員達は一気にざわめく。



「えー俺持ってないよー」
「いや、だから菊丸君。<持ってる人は>って言ってるじゃないのさ」
「どうせなら着たいじゃん!!」
「っていうか、さんはタカさんの浴衣姿見たいだけなんじゃ・・・」
「お黙り桃!」



下手な突っ込みに刺し殺す様な目で睨みつけて。
あぁ、そうよ。タカさんの浴衣が見たいわよ!!悪いかっ!!



「って事で決めたんで、部長よろしく」
「あ、あぁ・・・」



こういう時は押すに限る。











































よしっ・・・と。
紺地に白抜きだけの、シンプルな浴衣。
味があって、私はこういう方が好きだ。シンプルなんだけど、そこに描かれてる花「は向日葵で、華やか。
タカさんこういうの、どうかなぁ・・・?
帯は黄色と赤のリバーシブルで、丁度今結び終わった所だった。

さて、今何時かなーっと・・・?



「げっ!ヤバイ!!」



髪も整えて軽くメイクして、30分じゃ終わらないよ!!でも、終わらせないと・・・
ピンを使って急ごしらえで髪を整えて。



「行ってきまーす!!」



なんとか予定より5分遅れで家を出る事に成功したのだった。














「お待たせ〜・・・って、おぉっ!!圧巻だねぇ!!」



駅前に着いた時、まず目に入ったのが大勢のせいで目立っているウチのメンバーだった。
洋服なのが、不二・乾・大石・リョーマ。
甚平組が、菊丸・桃。
浴衣なのが、手塚・海堂・・・そして私のタカさんっvvv



先輩、孫にも・・・」
「五月蝿いリョーマ。」



何やら言いかけたリョーマを一瞥。



「褒めてんだよ、。似合ってるぞ?なぁ、乾?」
「あぁ。流行の色の浴衣より紺地を選んでる辺り、自分に似合う色を解っている・・・さすがだな」



大石と乾の落ち着いてる2人組みがさりげなくフォロー(?)。



「でも本当、いつもと雰囲気が全然違うね」
「本当不二!?」
「いつもがジャージで洒落っ気無さ過ぎるんだよなぁ〜は!」
「む・・・ジャージじゃなきゃ動き回れないじゃないのよ、菊丸!」



よっぽど浴衣が着たくて、百歩譲ったのか甚平で肩まで腕まくりした菊丸が入ってきて、
めでたく(?)3-6コンビが揃ってしまった。
この2人、さりげなく毒吐くから嫌いよ。



「せめてもうちょっとお淑やかになれねーもんかねぇ・・・なれねーか、さんだもんな」
「オイこら桃城。テメーいつも世話んなってるさんにその言い方はなんだっ!」
「あー?なんだマムシ!ギャグだろギャグ!それ位もわかんねーのかテメーはよっ!」
「ギャグだろうとそういう事を言うなっつってんだ」
「やんのか、テメー・・・!」

「うあぁぁぁぁっ!!待った!なんで喧嘩してんの二人共!!」



放っておいたら殴り合いでもしそうな桃と海堂の間に入る。
これだから普段からオシャレ出来ないんじゃんよー!!
こんな馬鹿騒ぎばっかしてる連中の世話してると、汗はすごいし走りっぱなし。制服じゃ動きづらいから常にジャージ、
髪もすぐにボサボサ、化粧も汗ですぐに落ちる。
どんなに好きな人と同じ部活でも、オシャレなんて・・・無駄。

ちょっと凹みだした私の手に、暖かい手が添えられる。
見上げれば、タカさんが微笑んでいた。



「お前がよく頑張ってるのは皆わかってる。そして、元々綺麗だって事もな。」
「手塚・・・」
「さ、行くぞ。始まってしまうからな。」



手塚の合図と共に動き出すみんな。
菊丸は大石に「大石も甚平着れば良かったのにー色違いで買おうぜー」とか絡んでいて、不二はいつの間にか先頭で
手塚と「口下手な癖に頑張って褒められたじゃない」とか言っていて、それを乾が横から「手塚も成長したなぁ」って。
さっきまであんな剣呑な雰囲気だったのに、もう桃は海堂と越前に「ここの花火一万発らしいぜー」とか話しかけてる。
まいったなぁ、これだからうちのマネージャー辞められないんだよ。
こんな面白い連中、他にいないじゃん。
そして、隣には手を繋いだままのタカさん・・・。





タカさんからまだ何も言われてないんだけどっ!?
















ドーンッ・・・しゅるるるるるる・・・・・・



会場に着いても、花火が始まっても、タカさんは私の手を握ったまま。
ぎゅってすると、私の入れた力より少しだけ強い力で握り返してくる。
タカさん・・・って、呼びたい。けど、こんな大きな音の中じゃ聞こえないか。でも、それでも、いいかなって気になって



「タカさん」



って。呟くように言ってみた。
<タカさん>って言葉にするだけで、なんかドキドキしちゃうよ。



「なに?」
「!!」



聞こえるハズがない。
だって、こんな・・・



ちゃん?今、呼んだよね?どうしたの?」



会場アナウンスの音も、花火の音も、集まってる人達の歓声もある中で。
これがタカさんなんだ・・・私の、大好きな大好きなタカさん。



「タカさんの和服姿、かっこいいvvv予想以上にかっこよくて、惚れ直しちゃった!」



本当だよ?
そう言うと、タカさんは真っ赤になって・・・ボソッと、言った。



ちゃんも、すごく綺麗だよ。・・・普段のジャージも捨てがたいけど・・・俺には、どっちも綺麗に見える」



満面の、真っ赤な笑顔で。
エヘヘって2人で笑いあって、私はフと思った。
だって、おかしい。
普段照れ屋で純情なタカさんが、みんなが居る前でこんなにずっと手を繋いでるのは、おかしい。



「ねぇ、なんで今日は手、繋ぎっぱなの?」
「え・・・・と・・・な、なんとなく・・・」
「嘘!タカさん嘘吐いたってすぐわかるんだから正直に言って?」
「・・・・・・」
「ターカさん?」



タカさんは一つ息を吐くと、苦笑して言った。



「だってちゃん綺麗だし、みんな褒めてばっかだから・・・」



た、たかしゃん・・・!!
今、今・・・<俺のだって言いたい>って聞こえてしまったんですが・・・!!??
途端に真っ赤になってしまった私。
今年の夏は、暑い。




























花火の後は、みんなで小さい花火。
いいな、なんか・・・ずっとこのままみんなで居られたらいいのに。



「そういえばタカさん、よく私のあんな小さい声聞こえたねー?」
ちゃんの声はどんなでもよく聞こえるよ。・・・でも、それ言ったらちゃんだってそうだろ?」
「?」
「俺、あの時すごい小さい声でしか話してないよ?」



あれ?・・・そうだったんだ?
好きな人の声は、よく聞こえるんだね?新しい発見をした気分だよ。



「そこのお2人さーん、そろそろこっち混じって馬鹿騒ぎしようよー?」
「よしっ!!そこの桃!私に花火を持てーい!!」



ぎゃー女帝が復活したー!!
そんな声を背後に浴びて、もう一度タカさんを振り返って、手を差し伸べた。



「タカさんも一緒に行こう!!」
「あぁ!」




終わり



あぁんもぅ!!タカさん大好き!!っていう題名。